最近のテーマは?

 

 ”羽(はね)” です。」

 

パステル色とシャープな金線の組み合わせ、伝統文様を現代に昇華させた新しい印象の羽根模様のお皿が目を引く。


setsuko tetsuka

単色では淡く、おとなしいはずのパステル調の絵具たちも、彼女の見事な組み合わせで優雅な文様にしてしまう近年の作品には、手に取るこちらを優しく穏やかな気持ちにさせてくれる。

手塚 節子
手塚 節子

現在も某大手陶磁器メーカーでプロダクト開発の仕事に携わりながら、自身の可能性も探り続けている。

 

「会社ではデザインだけというのではなく、サンプルや原盤の制作、時には市場調査など。さまざまな仕事を体験させてもらって本当に感謝しています。」

 

そのような多岐にわたる業務から得た幅広い見聞が、今の彼女が考えるデザインに存分に反映しているようだ

 

伝統工芸士を受けようと思ったきっかけは、息子さんの高校受験の時らしい。勉強を頑張れ頑張れとばかり言っている自分に、ふと気づき、

 

「私も何かチャレンジしよう!」

 

と思い立ったのが理由らしい。

 

 

 

「実は3度目でやっと受かったんです。」

 

 

 

あきらめないやり続ける力

一度決めた事を継続する力

 

 

 

 

 

本来の伝統とは、

彼女のような一途な姿勢に触れた人へ受け継がれていくのかもしれない。

(写真・文:立石勝朗)



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